――本日の観衆は。
18,365人です。
――まずは全体的な感想から。
2日間で27試合。試合数も多かったですが、とにかくこうして3日間格闘技のイベントをぶっ続けでやったのは初だったので、いい経験ができたと思います。小さな問題はありましたが、大きなトラブルなくイベントを終えられたことを嬉しく思っています。試合内容以外にも満足のいく大会でした。格闘技EXPOも、定着させていけたらファンやアマチュアの競技者など、格闘技というコンテンツをキーにしていろんなつながりが示せるのではないかと思いました。
――31日の演出については。
PRIDEでやっていたような、ステージがあって、後ろにLEDを出して音楽にあわせて名前が出たりというのは、いろんな団体が後から取り入れて格闘技のスタンダードになっていました。今回はステージを捨てることによって、選手たちが戦う場所、つまりリングによりスポットライトがあたる演出にしました。ライトも動くし、ライトを吊っているトラスも動くようにしたんです。あとは音響が圧倒的によくなっています。クラブシーンでよく使われている、テンポのいい曲を採用して方向性を変えてみたりとか。みなさんを非日常にいざなうという意味で、今回は照明と音響にこだわりました。あと、ロープの中にLEDが入っていました。曙やサップがロープにぶつかっても耐えられるかどうか実験もしました。世界初の試みです。
――ピーターの参戦とジェロムの欠場については。
ピーターは、あれだけ思いのある試合を観せてくれた。タップせず我慢して耐え抜いて3ラウンドまで。ショートノーティスで出てきてくれて、あれだけの試合を見せてくれることには本当に頭が下がります。ジェロムはプロとしていかがなものかな、と。約束を守らなかったことに対しては、法的な手段をとります。
――ロッカールームボーナスをあげるなら。
1アーセンに出したいですね。彼は日本の総合格闘技の宝になる。まだ19歳。オリンピックも行ってほしいし、総合も続けてほしい。KIDという最高の練習相手、指導者がいて、最高の遺伝子、スピリットを持っているので、短期間で強くなれる可能性があると思います。総合の美しさを兼ね備えた試合でした。
――女子の試合については。
新時代を感じてもらうために、RENAの試合を第一試合に組みました。紅白のトップバッターの意味合いも含め、新しい舞台の第一歩を託すという思いで。アンダーカードで組んだのではないと本人にも伝えました。それに結果で応えてくれるプロフェッショナルでしたね。素晴らしかったです。ギャビは予想通りの試合。彼女はむちゃくちゃ練習するけど、自分を追い込みすぎてつぶれていっちゃう。もっと柔術をベースにすればよかった。ギャビもタパも、大舞台とMMAという新たなチャレンジの重圧で相手の顔しか見ていなかった。それでも、二人の必死さが伝わるいい試合でした。
――サップ、曙の試合についてはどう見たか。
完全決着をつけさせてあげたかった。レフェリングについてはシュートボクシングに任せたのですが、イエローカードの後も後頭部にあたったという主張があるので、シュートボクシングの競技本部とビデオを見て競技部門として正式になんらかの発表をします。曙もできれば再戦したいという思いを持っていたし、それもないことではない。彼がしっかり準備して、覚悟を決めてきた様子は見られたと思います。常に前に出る気持ちでいたし、彼の中ではシュートボクシングのルールであれば自分の戦術にはまりそうだと思っていたことが見受けられました。
――今後のイベント、マッチメイクの方向性などは。
マッチメイクとしては、今後もいろんな団体のトップを招聘したいと思っています。ワンマッチ形式の大会は4月17日、名古屋ガイシホールを予定しています。グランプリは確実には決めていなくて、夏にやるか、来年の大晦日にやるのか、別の階級でやるのか、その辺を今後考えていきたいと思います。
――トーナメントの総括を。
93年頃に見たK-1グランプリのにおいを感じましたね。ニューカマーが出てきて、それでも実績を積んだ選手がきっちり最後をしめる、理想的な結末だと思います。プロハースカもまた見てみたい。そういう選手たちには、年間を通して何度か開催する大会でチャンスをあげたいと思いますし、ほかにも見ごたえのある試合が多かったので、競技性、ゲーム性を保障してくれる選手を集めることができれば、トーナメントには面白さがあると思いました。