—復帰戦を目前にした心境は?
心地よい緊張と、当日自分が何をしでかすのか、そういう期待が入り混じっているのを楽しんでます。これは現役じゃないと味わえない気持ちなので。

—不安と楽しみ、どっちが大きいですか?
不安はないですけど。おそらく、これは言葉にはできない感情かもしれないですね。リングを離れてほぼ10年ですけど、自分の感覚的にはつい最近も試合していた感覚があって。それはつねに試合を想定した物の考えかたや、身体のケアを欠かさなかったからというか。

—コンディションの仕上がりは?
満足してます。

—重点的に練習したのは?
身体ですね。動きのチェックや、自分に何ができて何ができないのか、取捨選択するのは凄くおもしろかったですね。

—引退前と比べて違う部分は?
コンディショニングは明らかによくなってますね。きっと、見ないでいた細かい故障と向き合えるようになったからだと思います。どうしたら改善されるのか、正面からしっかり見ることができた、と。

—逆に落ちた部分は?
体重と食う量ですかね(笑)。体重は無理に増やそうというのはやめました。ロン・ウォーターマンとやるときは106kgで試合してるんですけど、そういうことをいまはやっちゃダメだなって。体重を増やすと身体に負担が増えて、それを補強するためにトレーニングが必要だったり、余分な作業が増えていくので。

—若い奴には負けないという気持ちは?
負けたくないのは自分自身ですね。若い選手は凄くがんばってますよ。たとえば10年前に比べたら、もの凄くがんばっています。それが届いてないだけだと思うので。それを届かせる手引というか、ヒントや答えがこのRIZINにはあるんじゃないのかなと思います。

—ファンにどういう試合を見せたいですか?
あいかわらず下手くそな試合ですかね。自分のことは理解しているつもりなので。UFCのようなテッペンの技術の攻防というのは、観ていてもかなりのところにいってるなって感じるんですけど、自分にはそれができないので。自分には自分の試合のやりかたがある。けっしてうまくはないですけど、必ず満足させる試合をする自信はあります。

—第1試合を任された気持ちは?
高田本部長が会見で「止まった時計が動き出す」というお話をされていたのを聞いて、自分も思いが巡ったというか。総合格闘技のファンの人たちって、PRIDEの状態が忘れられないでいるんですよね。でも、実際は消滅してしまった。そういう遺物になっている物に対して、ファンはもどかしい思いを持っていて。自分も街で「もう、PRIDEやらないんですか?」って聞かれるんです。ファンは「あのPRIDEの空気こそ総合だ」っていう認識でいたんだと思います。今回、第1試合を任せてもらえるなら俺の手でやりたいっていうのは、高田さんの言葉でスイッチが入りましたね。

—試合に向けた意気込みを。
凄い試合をするのは凄くあたりまえのことだと、自分は思っているので。それをみんなに受け止めてもらって、さらに何か突き抜けるような試合を、密度の高い戦いをやりたいですね。あくまでも自分の希望なのでフタを開けなければわからないですけど。「その場で力尽きてもいい」という気持ちは強いです。

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