皆さんこんにちは!先日RIZINにライター志望でアルバイト入社した雷美です!この前のRIZIN.16で初めて格闘技を見たんですけど、本っっ当に感動しました(泣)!!オープニングの演出もすごかったし、KOも沢山見れたし、最高でした。私はまだまだ格闘技を勉強中なので、皆さんと一緒に楽しみながら格闘技の面白さや魅力を伝えていけたらなと思います!

と、いうことで!2019年6月2日(日)、神戸で開催されたRIZIN.16について、会社の先輩であり、RIZINのマッチメイクや選手との交渉を担当しているチャーリーさんに色々教えてもらおうかと思います!

ーーチャーリーさん、お疲れ様です!今日はRIZIN.16について色々聞いても良いですか!?
お疲れ様です。何でも聞いちゃってください。

ーー私はやっぱり那須川天心選手の試合が凄かったなーって思ったんですけど、チャーリーさんが印象に残った試合とかってありますか?
大会全体で見ると、どの試合も素晴らしかったです。上三つ(第12試合〜第14試合)も素晴らしい戦いだったんですけど、メディアも沢山取り上げて頂いているので、個人的に印象に残った試合とかでも良いですか?

ーーもちろん大丈夫です!
まず一つ目はダロン・クルックシャンクとトフィック・ムサエフのライト級GPを見据えた前哨戦と言える試合ですね。

画像: 教えてチャーリー! 〜RIZIN.16について色々聞いてみた〜

≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

ーーあのヒゲが凄い二人の試合ですね!ちょっと見合っているというか、噛み合わなかったような印象があります。
噛み合わなかったと言うとそうなのかも知れないんですけど、これは会場で見ていて凄く興奮したんですよ。

ーー私もあの男らしいヒゲには少し興奮しましたけど、チャーリーさんもだったんですね!では映像を見ながら一緒に振り返っていきましょう。

画像1: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

ーー …開始から二人とも全然動きがないですね。二人ともどこか調子が悪かったんですかね?
この開始3分は濃密でしたね。

ーーうーん、確かに濃密なヴィジュアルの二人だと思うんですけど…?
いや、見た目の話ではなくてですね(笑)。お互い攻撃していないように見えるんですけど、物凄い数のフェイントをかけあっているんですよ。フェイントをかけたら相手がどう反応するのか探り合っているような状況ですね。

ーーそういう事だったんですね!残り1分になってトフィックさんが急に攻めてきました!

画像2: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

トフィックが「探り合いは終わりだ」と言わんばかりに攻めていきましたね。当たれば一発で終わる攻撃を両選手が持っているので、とにかく緊張感がありました。

ーー2Rが始まりました。またトフィックさんが攻めてます!
探り合いが終わったので序盤から攻めていますね。4:15のあたりでトフィックが組み付きましたが、ここは直ぐに離れています。トフィックとしては倒して上からパウンドを打ちたい考えもあったと思いますが、肌を合わせた時にダロンの体幹の強さを感じて無理をしないと判断したのでしょう。

ーーあれ、二人ともレフェリーから何か叱られてるようですけど、何か反則しちゃったんですかね?

画像3: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

いや、恐らくもっとアグレッシブに試合するような注意がされたのだと思います。ここは難しいですよね。見方次第では膠着状態とも取れるし、先に手を出したらやられてしまうヒリヒリした展開とも取れますし。テクニック的な事はあまり話せないのですが、ダロンとトフィックにしか見えていないチェスをしているというか、体の動きとか踏み込みでフェイント出してその反応を見て学習してるんですよ。まだ学び足りない、と思った場合はダロンが「蹴るぞ蹴るぞ」と言いながら踏み込みを見せ、トフィックが下がってリセット。その作業の繰り返しが多く見られました。

ーーへー(チャーリーさん、ごめんなさい。ちょっとムズカシイよ…)。あ!トフィックさんのパンチが当たって、ダロンさんがよろけてますよ!

画像4: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

これはパンチが効いたのかな?と気になって試合後に本人に聞いたんですよ。するとダロンは「あれは大胆なエサ撒きで、トフィックが突っ込んできたら飛び膝を合わせようと思ってた」と言っていました。結局トフィックが来なかったから「しょーがねーなー」って感じで立ち上がってやり直した感じですね。

ーーラスト1分過ぎてからトフィックさんが上からパンチを打ってます!音が凄い!

画像5: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

すごい強力なパウンドですよね。トフィックは狭い隙間からコツコツ削るパウンドではなく、完全に仕留めるつもりで打っていますね。ここで僕が少し意外だなと思ったのは、ダロンがしっかりディフェンスしている事でした。この強い圧力に対してガードで固めるのではなく、腰に足を入れて立つ動きを見せているんですよ。細かな技術も持っているんだなと改めて思いましたね。

ーー最後のラウンドに入りました。お互いまだまだ元気一杯そうですね!
最終ラウンドも変わらずにお互い一発で仕留められる攻撃力を持っていますね。ラスト1分あたりでダロンが下から三角締めを仕掛けていますが、これは極めにいくというよりはディフェンスとしてやっていたんだと思います。

画像6: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

ーー試合が終了しちゃいました!最後のトフィックさんはなんかロケットみたいでしたね!

画像7: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

ロケット(笑)確かに体ごと突っ込むような感じでしたね。当たれば試合が終わる強力なパウンドです。

ーートフィックさんが判定で勝利しました!アゴ髭はやっぱり強い!という事でしょうか?
ヒゲと強さの関係性はわからないのですが、両者がいつでも打撃で終わらせる事の出来る実力者同士だからこそスタンドの攻防、駆け引きの緊張感が最後まで続いた良い試合だったのかなと思います。迂闊に入れない、先に動いた方が負ける、というようなフェイントを使った「身体の会話」が楽しめた内容でした。残念ながら結果は判定になってしまいましたが、最後までグダグダにならずにあの緊張感を出せるのは流石だなという感想です。でも、映像を見直して改めて思ったんですけど…。

ーーはい、何でしょう?
この試合について言えば生で観なきゃ緊張感とか興奮は伝わり難いかも知れないですね。やっている事はハイレベルなんですけど、結果を知っているからなのか、ライブで観ていた時のリアルな打撃音のせいなのかはわからないんですけど。会場で観ていた時は本当に興奮したんですよ。

ーーやっぱり会場観戦は違いますよね。みなさん、是非会場へ観に行きましょう!という事で次の試合を振り返ってみますか!
うーん、この記事、見てくれる人いるんですかね?(笑)

ーーまぁ、そこは気にしたら負けですよ!で、他に印象的な試合って何ですか?
そうですね。こちらも個人的に、という前置きさせて頂いた上でですが、征矢選手と川原選手の試合ですかね。

画像8: ≫ ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ 試合動画

≫ 征矢貴 VS 川原波輝 試合動画

ーー征矢さんがすっごいパンチでKO勝ちしたあの試合ですね!
そうです。あのカウンターKO劇の背景には川原選手の覚悟と漢気が溢れていて、彼が試合を作ったと言っても過言ではないと思っています。

ーー漢気、確かに試合前のインタビューでも何やら熱いコメントが多かった気がしますね。
はい。そもそも川原選手にとっては階級が上の相手です。試合前のコメントやインタビューで“打ち合い”を強調していたのですが、これは試合を作るための下準備だったのかと思います。階級上の相手に組まれないように、自分の得意分野で勝負が出来るようにと仕掛けておいた撒きエサ的な意味合いがあったのかと思います。

ーーそんな事より二人とも男前ですよね!あ、試合が始まりましたよ。

画像1: ≫ 征矢貴 VS 川原波輝 試合動画

ーーチャーリーさん!川原さんがいきなり倒れましたッ!

画像2: ≫ 征矢貴 VS 川原波輝 試合動画

征矢選手が左フックを上手く当てましたね。川原選手としては向かい合った時に「圧」を感じたんだと思います。本人も「手を出させられた」と試合後に語っていましたが、圧を感じて手を出させられ、そこにパンチを合わせられたのが最初のフラッシュダウンのシーンですね。

ーー 一気に征矢さんが攻め立てています!ここは川原さんは大ピンチですよね?!
ダメージは多少なりともあったとは思います。でも川原選手はここで勇敢に前に出て手を出して行きます。何発か当てて相手の勢いを消し、願わくば得意の乱打戦に持ち込みたかったんじゃないのかなと。でも、ここで征矢選手が川原選手の踏み込みに合わせてテイクダウンを奪います。スクランブルで両者立ち上がり、リセットとなったのですが、ここで征矢選手が打ち合いに付き合わずにテイクダウンをした事によって、通常だったら川原選手は少し考え始めてしまうところです。手の当たる距離で向き合っても圧が強くてカウンターをもらってしまうリスクがあるし、踏み込んで打ちに行ってもタックルを狙われてしまいますし。

ーー 洗濯と掃除、どちらも一気にやらなきゃいけない状況って事ですね。考えただけでもしんどいです!
まぁ、そんな感じです!この状況で川原選手にとってはいくつか選択肢があったと思うんですよ。様子を見ながらタックルに来たらカウンターの膝を合わせる、時間を潰して2Rに仕切り直す、もしくはリスクを恐れず打ち合いに持ち込んで勝機を見出すか。川原選手が選択したのは後者でしたね。

ーー川原選手が打ち合いに行ったところで征矢さんのパンチが当たりました!

画像3: ≫ 征矢貴 VS 川原波輝 試合動画

左を振りながら本命の右のパンチを振ったところに征矢選手がドンピシャのカウンターを合わせましたね。フライ級では中々見られない強烈なKO劇でしたね。

ーー改めて見ても衝撃的なKOシーンですね…
結果だけ見ると征矢選手がド派手に決めた素晴らしい試合なのですが、あのシーンに行くまでに川原選手が試合中に全ての選択肢に対してイバラの道を選んでいたからこそ生まれた結果という事をマッチメーカーとして忘れてはいけないなと思いましたし、個人的には試合前のコメントやインタビューを見てから試合を見るとストーリーも含めて楽しめる試合だったかなと思います。

ーーそうですか。チャーリーさん、ありがとうございます。色々勉強になりました!今日はこれにて終了です!
はい、ありがとうございました。上手く伝えられたかあまり自信はないのですが、あくまで個人の感想なので悪しからず。という事で、皆さんにももっと格闘技を楽しんで頂けたらと思います。

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